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2014-04-04

心が痛む「マイルが欲しい」

一昨日は生藤山(960.3m)連行山(1016m)を歩いた。

その前々日
行きつけの居酒屋に行くと山行倶楽部のひとりのYが吞んでいた。
というか事前に「吞みませんか周知メール」がYからあって
もし全員参加していると4,5人になるはずだったが
みな都合が悪かったようだ。
わが輩も月曜日は透析日「中二日」なので体重を増やしたくないので
ウォーキングをして行かないつもりで欠席メールを返信していたが
部屋に帰るとちょっと吞みに行きたい誘惑に駆られ出かけた。

その倶楽部の先輩Yと吞んでるうちに
そろそろ山歩きをしないとカラダが鈍るので
「翌々日に山に行くぞ!」と宣言すると
そのYも「いっしょに行きますか」という。
Yは歩くのが遅いわが輩を後でサポートしてくれ
ある時は山行途中でもバランスを崩し
滑り落ちようとするわが輩をマフラーを握って支えてくれたりと
お世話になるばかり。
それなら○○さんにも声かけようという。
△△さんも。
と話の嵩が増え倶楽部の常連にメールすることにもなった。

結局はわが輩を含めて4名になった。
それもひとりは倶楽部の山行予定をすべて立てていただいている幹事O。
もうひとりは単にfacebookに告知しただけで
山梨県上野原駅まえのバス停で待っていた今売れっ子のイラストレーターT。
もうひとりの居酒屋でこの話を盛り上げたYはといえば
前日母親の急用でドタキャンのメールがあった。

なのにドタキャンがまたしてドタキャンで
遅れてくるというメールが幹事Oにあったという。
中央線の上野原駅からのバス便は1日にそう頻繁ではないので
タクシーで向かうという。
このYは人一倍義理堅い性格で
わが輩に気を使ってのことだと思うと
かえって恐縮もする。

3人で先行することになったが
先の大雪はまだところどころ踏み跡を見失わせるほど残っていて
ルートがしばしば見つからない。
それでもわれわれはなんとか尾根までの予定のルート半ばまで来た。

後発のYは国内の百名山を登り二百名山も達成するのも時間の問題なくらいの
山歩きの達人なので心配はしていなかったが
そろそろわれわれがルートを見失った地点と想像されるころ
携帯電話で説明した。
が、説明が悪かったのか
それともすでに見失った地点を越えていたのか
違うルートでしかもダッシュしたらしく
目標の山頂の軍刀利神社(ぐんだり)山宮に着いたらすでにYの姿が。
先を越された。

途中携帯電話を話す声が聞こえたり
Yが鳴らす熊よけの鈴も山間から聞こえ
同じルートで登ってるかと想定していた。




山宮は900mを越える山頂にある神社としてはりっぱな軍刀利神社。
なんでも11世紀ころ建てられたというので
辺りの信仰を集めているようだ。
その名のごとくいくさの神様らしく
ルート途中の本殿の境内には
大きな長刀が象徴するようにたっている。
下山ルートの小社にも木製の刀が祀られていた。



4人だけの山行もまたいつも列をなしての山行とはひと味違う。
勝手なわが輩の思い込みかもしれないが
より私的な下世話な話ができる。



そのなかで多少余裕ができるようになった下山時
家族の話をした。
以前このブログにも愚痴のようなのを書いたとおり
長男は転勤でロサンゼルスに赴任することになったことを話した。
そしてその長男が命名したのだが
その彼女とわが輩の長女とわが輩を含めて
facebook上で非公開(秘密)のグループ(SummitG4)をつくって
お互いフォローしていることを話したら
若い40代?の売れっ子イラストレーターすら驚いたようだ。
新しいfacebookの形だとか。


その非公開グループを通じて
先週神楽坂という長男らの生活圏の成田とわが輩や長女の居住地の中間地で
壮行会を敢行した。




そこで聞いたのがその翌日入籍し
1年後くらいに結婚式を挙げたいという。
前回のわが輩は愚痴ブログ以降何も言ってこなかったが
着々と事は進んでいたことに
驚いたと同時に改めて二人が幸せになって欲しいと思った。



山行メンバーからは子どもらと一緒に酒が呑めるなんて
と言う声が聞こえた。
「俺ら親とも子らとも吞んだことなんかない」

長女にはわが輩の孫に当たる一人娘がいるが
グループに一度も連れてきたことはないので
純粋のSummitではある。

もちろん親らしいこともしてないこのわが輩は子ども二人に感謝している。
そして彼女がそれに付き合って2時間近い電車で出かけてくれることに
それらを下山途中の世間話に使いながら
ちょっと自慢げなわが輩を感じたものだ。

わが輩の予想はおそらくこれから海外赴任が続くと思うが
自分が生きること
二人で生きること
そして子どもが(孫だ!)できることを
ますます実感していって欲しいと思うばかりだ。

山行途中の休憩所では『充電』の話にも至った。
倶楽部メンバーのほとんどが透析をしていることは知るに至っているが
実際の姿を知る由はない。
でも話し方も悪いのもあるがなかなか「透析」を伝えることは難しい。
「合併症」を説明するに至っては
自分でも分かっていないような気になる。
10年以上1500回以上の透析で穿刺したぶっとい針が3000以上の
腕を見せたが
そんなことで伝わるモノではない。

「見た目なんともないようですよね」
「透析してる人が山歩きをしてるなんてきっとはじめてですよ」
たしかにそうかもしれない。
試行錯誤で透析していてもしてなくとも
カラダに必要なことを最低限しているという意識しかないのではある。
いやむしろ
昨日吞んだ酒の体重増加を山歩きで解消しようというふてぶてしい考えなのだ。
あとの効果は余禄だとくらいなのかもしれない。


いい仕事をしたい。それは実現できるかわからないが
それが実現できれば「一生懸命」生きてるといえるかもしれない。



さて
いまは嫁といった方が良いのか分からないが
やっぱり彼女。
その神楽坂での壮行会二次会でいま何が欲しい?という問いに
彼女の「マイルが欲しい」に心痛む。





*写真上=軍刀利神社拝殿前。
*写真中2=軍刀利神社小社。奥の院のカツラの大木。
*写真下2枚=SummitG4。神楽坂中華料理。