■高カリウムの原因はいまとなってははっきり特定できることではないけれど
その後のシャント(透析に使う血管)の状況などから透析不足の可能性が出てきた。
■それに気がついたのは、ひとりのベテランの透析の技師Sだった。
通常血管から取り出した血液は
透析器の濾過を経てカラダに戻す。
穿刺位置はなるべく同じところにならないように
毎回ずらしているが
下になる穿刺から血液を取り出し
上でカラダに返す。
パターンがいまは2パターンで
<上腕と前腕パターン>と<前腕と前腕パターン>で
<前腕と前腕パターン>ではどうしても距離が狭い。
年の初めのこの狭いパターンで
開始時にどうしても透析機器から生理食塩水が
カラダに入るのだが
ふつうならばそのまま静脈にしたがって
心臓にもどっていくはずが
逆流して取り出す穿刺部分に透明の生理食塩水を
技師Sが見つけたのである。
一瞬のことだと思われる。
なぜなら一定の生理食塩水はカラダに入るが
その後は当然血液を戻すところだから。
その一瞬を見落とさなかった。
じつはこの逆流は単に穿刺位置が近いということで起こったわけ出なく
15年目に入った血管も傷みが激しく
肘あたりの血管が細くなって前腕に血栓が詰まりかけていることが分かった。
血栓で流れが悪くなって逆流したのだ。
逆流がもたらす結果は
限られた少量の血液を繰り返し透析するだけで
濃縮されるもののカラダ全体の血液の濾過ということからいえば
「透析不足」をもたらすものだった。
なんと恐ろしいことではないか。
4時間の透析時間を終えても
カリウムは減っていないことになる。
その状態で帰宅して食事をすれば
高カリウムになる。
毎回穿刺位置を変えているので
年末の誕生日高カリウム症状の際も同じだったと
断定はできないが
その可能性が高いことは想像できる。
では透析機器にそういったセンサーは
備え付けられていないのかと聞けば
ひとつは人為的に調べる機能はあるが
いつもいつもチェックすることはないという。
またもうひとつは
同じ血液を繰り返し透析すれば
ドロドロに濃縮されそれに反応することはあるという。
しかし多少の反応があっても
濃縮が原因だけではなくカラダの体勢や血圧でも
アラームは鳴るので
気がつくのは「ヒト」でしかないようだ。
技師Sが気がつかなければ
同じ状況をふたたび迎えていたかも知れないと思うと
「ヒト」の力
が極めて重要だと考えさせる。
■誕生日高カリウム症の際も何度思い返しても
自分はカリウムを食べ過ぎたという自覚もなく
他の理由があると信じていたが
看護師Kはひとり心配してくれていた。
「高カリウムになっちゃったよー」といってた患者が
目の前で心臓が止まって逝ってしまったという。
それを心配してくれた看護師Kが
待ち時間2時間だったのを車いすで
救急外来に連れて行ってくれた。
そこでカリウムの数値が7.5と高いことが判明し
またふたたび透析センターにもどって緊急透析をすることとなった。
緊急透析を初めて15分で
手足やカラダの痺れが薄れていくのを感じ
ああ 生き延びたんだ
と感じざるを得なかった。
看護師Kが機転を利かしてくれなかったら
透析センターのラウンジで
命を落としていたのだろう。
そして血栓の詰まりで血液が逆流していたのを
見落としていれば
同じ高カリウムを繰り返していたとみると
この二人は命の恩人。
ありがとう。
その後のシャント(透析に使う血管)の状況などから透析不足の可能性が出てきた。
■それに気がついたのは、ひとりのベテランの透析の技師Sだった。
通常血管から取り出した血液は
透析器の濾過を経てカラダに戻す。
穿刺位置はなるべく同じところにならないように
毎回ずらしているが
下になる穿刺から血液を取り出し
上でカラダに返す。
パターンがいまは2パターンで
<上腕と前腕パターン>と<前腕と前腕パターン>で
<前腕と前腕パターン>ではどうしても距離が狭い。
年の初めのこの狭いパターンで
開始時にどうしても透析機器から生理食塩水が
カラダに入るのだが
ふつうならばそのまま静脈にしたがって
心臓にもどっていくはずが
逆流して取り出す穿刺部分に透明の生理食塩水を
技師Sが見つけたのである。
一瞬のことだと思われる。
なぜなら一定の生理食塩水はカラダに入るが
その後は当然血液を戻すところだから。
その一瞬を見落とさなかった。
じつはこの逆流は単に穿刺位置が近いということで起こったわけ出なく
15年目に入った血管も傷みが激しく
肘あたりの血管が細くなって前腕に血栓が詰まりかけていることが分かった。
血栓で流れが悪くなって逆流したのだ。
逆流がもたらす結果は
限られた少量の血液を繰り返し透析するだけで
濃縮されるもののカラダ全体の血液の濾過ということからいえば
「透析不足」をもたらすものだった。
なんと恐ろしいことではないか。
4時間の透析時間を終えても
カリウムは減っていないことになる。
その状態で帰宅して食事をすれば
高カリウムになる。
毎回穿刺位置を変えているので
年末の誕生日高カリウム症状の際も同じだったと
断定はできないが
その可能性が高いことは想像できる。
では透析機器にそういったセンサーは
備え付けられていないのかと聞けば
ひとつは人為的に調べる機能はあるが
いつもいつもチェックすることはないという。
またもうひとつは
同じ血液を繰り返し透析すれば
ドロドロに濃縮されそれに反応することはあるという。
しかし多少の反応があっても
濃縮が原因だけではなくカラダの体勢や血圧でも
アラームは鳴るので
気がつくのは「ヒト」でしかないようだ。
技師Sが気がつかなければ
同じ状況をふたたび迎えていたかも知れないと思うと
「ヒト」の力
が極めて重要だと考えさせる。
■誕生日高カリウム症の際も何度思い返しても
自分はカリウムを食べ過ぎたという自覚もなく
他の理由があると信じていたが
看護師Kはひとり心配してくれていた。
「高カリウムになっちゃったよー」といってた患者が
目の前で心臓が止まって逝ってしまったという。
それを心配してくれた看護師Kが
待ち時間2時間だったのを車いすで
救急外来に連れて行ってくれた。
そこでカリウムの数値が7.5と高いことが判明し
またふたたび透析センターにもどって緊急透析をすることとなった。
緊急透析を初めて15分で
手足やカラダの痺れが薄れていくのを感じ
ああ 生き延びたんだ
と感じざるを得なかった。
看護師Kが機転を利かしてくれなかったら
透析センターのラウンジで
命を落としていたのだろう。
そして血栓の詰まりで血液が逆流していたのを
見落としていれば
同じ高カリウムを繰り返していたとみると
この二人は命の恩人。
ありがとう。