明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。
正月というとおせち料理。
透析患者には危ない誘惑と言わざるを得ない。
おせちといっても例年
好きな田作りくらいしか
買って来ない。
年末街に出たときに
美味しそうな正月料理に
魅せられ
田作りだけのつもりが
昆布巻き、蕪の千枚漬け、練り物、松前漬けをはじめ
カリウムの多いものばかり買いしたためた。
もともと正月料理はリンもカリウムも多く含むものが多い。
買っても冷蔵庫の肥やしにしているかぎり問題はないが
年末年始正月くらいはという気持ちが
勝ってしまうと危ない。
日頃の食材はなんとなくだが
カリウムが多いとかリンが多いとか
だったらこのくらいの量に抑えようと
ある程度コントロールできる。
もっとも月2回の血液検査でも
危険水域のカリウム6を越えることが多いので
コントロールできているとはいえないのかもしれないが
日頃より多めにとればアウトは間違いない。
大晦日も元旦も
毎年クラシック三昧で
カウントダウンはもちろんテレビでだが
東急ジルベスターカウントコンサートだ。
今年はカウントダウン曲に
「楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲」が選曲されたが
毎年演奏終了と同時に新年を迎えるという趣向で
今回は1秒たりとも狂わず演奏終了と同時に
元旦を迎えたのは単純に感動した。
ちなみにジルベスターSilvesterとはドイツ語で「大晦日」の意だそう。
毎年一度は生のコンサートに
行きたいと思っているのだがなかなか実現できない。
これは実現可能だがまずは無理なのがもうひとつの
ウィーンフィルのニューイヤーコンサート。
来年のチケットが今日2日から発売だそうだが
まず無理な話だろう。
せめてテレビキャプチャーしてパソコンに保存するくらいで
これがわが輩の近年の正月の恒例だ。
そんなんでビールと焼酎を飲みながら
パソコンにかじりつく。
ビールも焼酎も酒の肴がいる。
というわけで今年は酒の肴には
事欠かない。
今年は大晦日と元旦が透析のない中二日となった。
元旦の中二日で大晦日に透析がないのは
あまり記憶になく
いつも大晦日の透析後は体調的に
酒を飲む雰囲気ではなく
せいぜい元旦くらいだが
それに比べると
今年は余裕があったともいえる。
ゆっくりできたと言えばいえる。
その結果
きのう元旦の昼くらいから両手の先に
痺れを感じるようになった。
まさか体内のカリウム値が上昇したのかと疑いもしたが
まだ中一日経ったばかりで考えにくい。
カリウム値が高くなれば
筋肉の収縮を弱め
筋肉の塊である心臓をいずれ止めてしまう。
即生命の危機に繋がる。
緊急に搬送され応急措置のうえに緊急透析をしても
間に合わない事例を見聞きしてきた。
元旦から緊急搬送も洒落にならない。
前年最後の透析のとき
技士Yが「ケイキサレイトなどを活用して、注意してくださいね」
と言ったのが妙に耳に残っていた。
ちょうど期限切れのアーガメイトがテーブルのうえにあったので
とりあえず飲んだ。
アーガメイトもケイキサレートも
カリウムと結合して
一時的にカリウムを下げるクスリだ。
飲んでもそれほど指先のしびれはなくならないので
風呂に入って温度差での痺れかもという疑いを実証しようと思ったが
風呂からでても変わりがなかった。
カリウム値が上がっている可能性大ではあるが
夕方相変わらず豊富な正月料理で酒をいただいた。
今度はケイキサレートを焼酎で飲んでだ。
ウィーンフィルのニューイヤーコンサートも無事パソコンに取り込み
そのあとの番組の人間国宝の
染織作家志村ふくみも見て寝た。
別に症状があるわけでもないが
夜中に目が覚めると心臓が苦しくないか
何度も確認したものだった。
翌日のきょう体重増加も多かったが
今年の初の透析に行って穿刺当番が技士Yだった。
そんな話をすると簡易血液検査でカリウム値を調べてくれた。
なんとカリウム値6.8だ。
人によっては苦しくなって救急で運ばれても不思議はない数値。
一般的には4以下が推奨値だ。
ましてやケイキサレートやアーガメイトを服用した上での数値だ。
技師Yがいうにはケイキサレートを服用してなかったら
ほんとうに危なかったという。
ケイキサレートもアーガメイトも決しておいしいものでなく不味い。
元旦から不味い薬を飲むのかいと思ったりして躊躇したりしてたが
やはり耳に残っていた技士Yの
「ケイキサレートなどを利用して・・・」が
後押しするかたちになって命拾いした。
逝っていたら自業自得といったところ。
元旦は初山歩きを目論んでいたが
カウントダウンと酒ゆえに
為すことができなかった。
おそらく山に登っていたら
ケイキサレートは非常用にいつももってはいるが
飲まなかっただろうから
山登りの途中でヘリコプター搬送もあったかもしれない。
このカリウム値のベースを
下げることが
今年の大きな課題に間違いないと考えながら
今年初の透析が終わった。