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2014-05-01

慢性腎臓病の山歩きは難しい

週末の山歩きは標高900mで
標高差も600mくらいで低山も低山。
ただ下りはだらだらの下りとはいえず
「登り返し」といって
下ったかと思うと登り
もう下りだけかと思うと
ふたたび登るというのを
数回繰り返した。
もう嫌だ!と思った時
やっと終点のバス停に到着。


下山後半はもう歩けない!と
何度も弱音を吐いた。
足が動かず吊りそうにもなった。

下山直後はグロッキーで
倶楽部のメンバーは祝杯?を上げていたがひとりボーとしていた。


2年まえに山歩きをはじめて
ほぼ毎回のように朝出発前と
下山後に体重を計ってきたので
その日飲んだ水と食事の量を記憶すれば
その山歩きで出した汗の量がわかる。

もちろん季節によって
汗の量は違う。

腎臓病で10年も透析をしてると
排尿は全くないので
飲み過ぎれば体に溜まりすぎて
極端にいうと肺水腫になる。
逆に水分補給が足らないと誰でもなるように
脱水症状に陥る。

健康な体の持ち主なら
多少多く飲んでも
排尿で調整できるが
そこができないところが難しいので
山歩きを始めた当初から
注意はしてきた。

真夏は2リットル近く水を飲む。
それでも体重は増えないから
ほぼ汗で出てしまう。
逆にいうと
そのくらい飲まないと
脱水症状を起こすということだ。


さて前回の週末の山歩きの前後では
1キロ近くマイナスだった。

週末の透析(山行前日)を終えると
基礎体重(ドライウエイトという)だ。
それからその日昼食夕食と
山行当日朝食で1.5kgくらいは増える。

たとえば基礎体重を60kgとすると
出発の朝の体重は61.5kg。
山歩きはそこから始まるわけで
発汗量の基準だ。
それが1キロマイナスの60.5kgだったということは
基礎体重60kgからいえばおよそプラス500gだ。

もちろん山頂では500gとまではいかないが
食事も取ってるのでそれなりに
食べた分も含まれているのでほぼ基礎体重まで発汗で
水分が失われていたということになる。

もともとこのドライウエイトと透析の世界で呼んでる
基礎体重は体内の水分が増えても
次の透析まで肺水腫にならないような
ギリギリ低い数値に設定されている。

ここの設定が難しく
心胸比(心臓の幅が肺の幅の2分の1というのが基準)
血圧低下
足のむくみ
心臓の動き
足が吊る
などから医師や本人が手探り状態で決めるのだが
毎回のように患者と医師とでトラブルほど
極めて最低限で決められている。

患者はその低さに堪えられなく
急激な血圧低下で
意識を失うこともあるのだ。
とくに透析からの帰宅時にはありがちで
実際わが輩もJRの電車の中で意識を失い
気がついたらホームまで中年女性に
運ばれていたことがある。

そんな基礎体重に下山後
近づいていた可能性が高い。

いままで2年あまりだが
喉の渇きや
体の汗によるベタつき
ペットボトルの水の減り具合
などで判断しながら概ね問題なかった。

しかし今のように季節が移り変わる時季は難しい。
カラダも季節に順応していない。
今回は予想以上に汗で失われた水分が
多いために
下山時グロッキーと言わせたと考えられる。

それで下山できたので良かったが
血圧低下で深刻な脱水状態になることもあり改めて難しさを感じる経験となった。

ちなみに一緒だった山行倶楽部のメンバーの一人も
山頂までに500mlペットボトルを
空けたというメールを頂いた。

そのメールには前日アルコールを
呑んだからか
という前置きはあったが
それを差し引いても
全行程で700ml前後だったわが輩は
充分に水分不足と言えるのだろう。


山歩きはそんな難しいテーマが存在するも
止めない。
さて今週末も山梨県坪山1102m。
山頂での「男の料理三昧」の献立を考えよう。














写真上=前回の松生山で。
写真下=くりかえす登り返しに閉口した下山。