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2016-11-08

シャント手術で解ったことのひとつ

先のブログでも書いたが
ふつうシャント手術をするというとき
執刀医が失敗をしない限り
二カ所にメスを入れることはないだろう。
にもかかわらず
二カ所になったのは全くもって
自分のせいなのだ。

一カ所目が詰まった以前のシャント位置よりは
上ではあったがそれでもやや手首に近いところで
最終的にやり直した位置よりは
血管が細く
そのぶん石灰化になりやすいのだ。

とはいえ
石灰化がすすんでる事実を
思い知らされた。
手術で針や糸が使えないというのだから。
表現は誇張しているだろうが
手術で糸や針を使えば
それだけ脆くなり
いずれ再手術もしなければならなくなり
縫合部にトラブルが起これば
その先の手や指の壊死も考えられるという
手術での医師たちの説明だった。
医師のおそらく十年近くの経験の中で
5本の指に入るほどの石灰化というのだ。
「血管がせんべいのようだ」

これはけっこうショックだ。
石灰化といわれているのに
心臓エコー検査だ。
心臓の石灰化は何度も主治医に言われている。
大いにたかをくくっていた部分がある。

透析患者は血液内のバランスが
健常者に比べて格段に悪い。
週3回の透析器による調整では追いつかないのだ。

タンパク質は教科書的にいうと
血液や筋肉を作るもとだ。
だがタンパク質が消化されると
リンが老廃物として残骸が残る。
直接リンが多く含まれている食事もある。
なかなか日常的には認識が難しいが
しらす干しやプロセスチーズ
鰯や卵黄がその筆頭だ。
(100gあたりの比較)
カラダのリンとカルシウムは
拮抗状態を保っているという。
体にリンが増えると
カルシウムが増えてくるのだ。
骨からカルシウムを放出するという。
結果的に骨のカルシウム量が減り脆くなり
血管を漂うカルシウムは
血管壁にくっついて硬化してしまう。
これが難儀な「石灰化」というわけだ。
骨密度も低下し血管や心臓が
脆くなり手術の医師の言うように
「せんべいのように」なるのだ。

それを食事制限と薬服用で
少しでも健常者に近づけようとするわけだ。

巷では「老いたら米をやめ肉を食え」などという
断糖タンパク質長寿法なるものも流布されているが
こと透析患者には全く無理なのだ。
一時試みたこともあるが
跳ね上がるリンの数値のまえに
あえなく敗北だったのだ。

とはいえ
酒のつまみはどうしてもタンパク質がいける。
得てして家飲みが多くなって
焼酎を一杯注ぐと同時に
アテを一品というパターンになってしまった。

当然摂取する水分も増え
同時にリンの数値を上げてきた。
その都度主治医は注意を促してきたが
なかなか顧みることができないできた。

さてコアヒビター騒動で明らかになった胸水のおかげで
5キロの基礎体重設定の減量もあった。
また騒動以前から下がりつつあった血圧が
降圧剤なしで130〜140まで下がり
体にとっては血圧が下がってきたのはいいことだが
以前降圧剤なくて220で
降圧剤で180くらいで
透析時もその血圧を背景に
5キロの除水ができていたと思われる。
それが4キロすら除水ができなくなって
毎回終盤足が吊ったり
血圧が100以下になるという
苦しい状況が生まれてしまった。

無理が利かなくなったというのが実感。

これらを防ぐのは簡単なことではあるが
「酒をやめる」ことでだ。
しかしこれがなかなか。。

この数日
どこまですればどこまでセーブできるのか
頭の中は混乱している。
まったく酒をやめるのは無理としても
セーブしなくては
石灰化と除水の血圧降下は
免れえない。
石灰化は一度なったら
改善されることはなく
進行を止めることくらいしかできないという。

石灰化をとめるのは文字通り
もはや絶体絶命と考えねば
心臓が止まる結果になる。

タンパク質は一般的に過剰摂取。
それはおいしいというだけで
どうしても手が出るというもの。
かといって野菜にシフトすれば
いまでもカリウムの数値は低いと言えず
これ以上高くなれば
即死ということもある。

とにかくここからいえることは
食事と酒量の絶対量を減らすしかないのだ。

そして
日常的に食べていた卵はやめる。
いわし・たらこ・しらすも避ける。。
まぐろ・あじも比較的リンが多いので
頻度を少なくする。

リンの多い食品と、食品のリンの含有量一覧表