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2012-11-03

チータと尿毒症




友人の愛犬チータは16歳。
よく人間の80歳90歳といわれる。

今年の6月頃、食事を食べなくなり
1週間くらい続いたので
病院へ行った。

ヒトと同じで血液検査を受けたが
クレアチニンが「6」。
クレアチニンはわれわれ『充電』をしてるものには
一度はくぐってきた関所みたいなもので
腎臓機能に働き具合を探る数値。

ヒトの腎臓が普通に働いている状態を「1」とし
腎臓機能が何らかの原因で落ちて
「7」の前後になると
『充電』=透析を薦められる。

私の場合
脳幹梗塞で入院したときにはじめての血液検査で
たしか「5」か「6」くらいで
チータのその6月頃のクレアチンは「6」なので
同じくらいに腎臓機能は落ちていたということになります。

ヒトの場合は、
たんぱく質などの食事制限を始めながら
『充電』へ移行する準備をすることになる。
私の場合は「エスケープ」してふつうの生活をしていて
半年近くに呼吸困難で救急車のお世話になっての透析導入だった。
「5」か「6」のクレアチニンの数値は
ここまではゆっくりだったかも知れないが
急激に悪化するので注意して下さいと
エスケープする前の医師にはいわれていて
実際その通りになった。

愛犬チータは6月頃の食事拒否も
数回の栄養点滴などで何とか持ち直し
飼い主の努力もあって暑い夏を越せた。

しかし、10月に入ってふたたび食事を受け付けなくなった。
飼い主の仕事の都合で代わりに私が病院へ連れて行った。
医師はよくこの暑い夏を越せたねと驚いていた。
クレアチニンは「8」近くなっていた。

クレアチニンの数値が悪いからといって死ぬわけではないが
ヒトが食事制限をするように
犬の場合はおそらく本能的に食事を受け付けなくなり
老廃物の尿素窒素などが体に溜まっていき
尿毒症の結果にならないようにしている。

動物病院での説明は栄養点滴が主な治療で
・入院して治療を受けるか
・通院して治療を受けるか
・自宅で飼い主が点滴をするか
という選択肢を提案され
経済的なこともあるが自宅で愛情を注ぎたいという気持ちから
自宅点滴の道を選んだ。

選んだのはいいが
愛犬に点滴の針を穿刺するのは勇気のいること。
で、その任を私が仰せつかって1週間前無事果たせた。
1日おきに『充電』で太い針を穿刺されてはいても
なかなか刺すとなると
これはまた緊張するもの。

その後1週間ぶりのチータは
いくぶんやせ細った。
いちどの呼吸も大きく、
数が少なくなっているような気もする。

チータの姿は
遅くも早くも
『充電』やっていようがいまいが同じだが
自分のすがたとダブル。

いつかは訪れる別れが
チータにとっても飼い主にとっても
安らかな感謝の気持ちに包まれて迎えられることを祈るばかり。


「だめだ!急激に」のメールに
「いっぱい優しくしてあげて」と返した。




*写真は回復した7月頃のチータ。

*チータはこの日飼い主に看取られ亡くなった。
「チータは最後まで精悍だった」