師走ともなると「今年の○○○」というのが恒例となる。
わが輩の今年のトピックスは?と考えようも
とくになにもない。
強いて言えば「富士登山」かもしれない。
世界遺産だからといって何も富士山がどうもなるものではないし
もともと富士山を目標にしたこともない。
山歩きの仲間からも富士登山の魅力など
一度も聞いたことがないほど評判も悪い。
ただ世界遺産に認定され
話題になると一度は登っておこうとなる。
きょうやっと前回の山行ブログをアップしたが
トピックスと仰々しくいうことはないが
山歩きを始めて2年で55余座の山を登ってきた。
今年は来週の忘年山行を含めて31座だった。
そのなかでも前回の三頭山(みとうさん)は山歩きでは最高の山だった。
体力が勝負だけの不毛の3000m級より
この草木がゆたかな1500mくらいの低山の方が
はるかに魅力がある。
なので
今年の記憶に残る山は三頭山
ということになる。
その山行ブログのタイトルとした「百日回峰」はもともとは
比叡山の峰々を千日にわたって駆け巡る荒修行「千日回峰」を想い出したからだ。
天台宗の住職酒井雄哉さんはその千日回峰を2度も成し遂げたが
わが輩が見た映像も酒井さんの1度目の巡拝だった。
いわばトレイルランだが
山歩きも知らなかったころで
夜中もわらじで比叡山を走る姿は
とても人間業には思えなかった。
千日回峰の修行の前に百日回峰の行があることを知り
千日はとてもじゃないができまいと考え
百日回峰をタイトルにしたのだった。
それ以降も山を歩くと
あの酒井さんの姿をいつも想い出してきた。
そうやって大きな事故もなく
忘年山行を含めると56日で折り返しすることはできる。
命が続けば文字通り100日をめざすだけである。
その酒井雄哉さんがことし9月に87歳で亡くなった。
ご冥福をお祈りします。
写真=三頭山のブナの木