ページ

2013-12-17

あわやショック状態  あの「おしゃべりな技師Y」が神々しくさえ見えた

数日前、『充電』終了の返血に技師Yがやってきた。
言い回しは忘れたが「おしゃべりなYがきました」というようなことを言う。
どうも看護師師長がこのブログを読んでるというくだりから
読んではいても話題にするようなシロモノではなかったのか
あまりそういう話をすることはなかったのに
スタッフにもよりブログを読んでいただけるようになったのか
はたまた
このクレーマーおじさんのブログとして
話題になっているのか
よくわからないがハナから話題を提供してきた。

たしかに
「新しくセンターに入ってきた若い技師Yは
しゃべるはしゃべる。」
と書いたっけ。

もちろんこのブログは陰で特定のスタッフなりを攻撃するのが目的ではなく
患者はこんなことを考えているんだよなと
気ままに書いているつもりで
たまにきつい言い方もあるかもしれないが
すべて本人なりスタッフに読まれては困ることはないつもりで
またそういう言い回しに勤めているつもりだ。

ただ師長まで読んでいただいているとなると
理由はわからないがなぜだかまったく同じとはいえない。
師長にも書きにくくなったと言ったが
じっさいこのところ書くスタンスが定まらず
ずいぶんご無沙汰した。

それをその技師Yに話したら
それでも書いてくださいよといわれ
すこしづつ書くことにした。



その技師Yに今日は救われた。
命を救われたとは言い過ぎだろうけど
気持ちはほぼそれだった。
いや命を失う可能性が今日の状況でないとはいえない。
死なんてものは隣り合わせだと思うから。

4時間の『充電』でいつもは3時間目が終わる頃
期外収縮=不整脈を発症するのがいつもなのが
今日はまだ半分まで来たときに
期外収縮が起こった。
この数日熱はないが喉が痛く痛いのがおさまったら
咳が出たりとか体調が良くないのが影響しているのか
看護師に言うと
心電図のモニターつけますかといわれ
『充電』半ばなのでつけてもらい
はっきり期外収縮を確認。

期外収縮を確認したところで対処する術はワソランという
対応薬を飲むくらいだが
このワソラン
血圧を下げる作用もあるので
終盤下がる傾向のところにさらに下げるというのも
判断に難しいところでとりあえず様子を見ることになった。

期外収縮が心房細動へと発展していくと
呼吸困難になるがまだそこまでではなかった。

しかし胸を押しつけられるような苦しさがいつもと違うので
それを看護師に訴えると
透析の除水を一時止めようかといわれ
血圧を計りながら様子見だった。

不整脈の場合
ふつうの自動血圧計はセンサーが働かないことがある。
いまや自動血圧計が一般なのだが
10年まえには看護師が黒いゴム球をパフパフと加圧していた手動であれば
計測できるのだろうが
あるいはあの折りたたみの水銀柱の血圧計。
そういえば
昔子どもの頃家のタンスにあったような気がする。
わが輩が産まれる前は母親は助産婦。

自動血圧計は2回3回と再加圧してやっと数値がでるのだ。
この2回3回いやひょっとしたらそれ以上の加圧したときの数値は
正確ではないのではないかと思うのだ。

こういう時
気が利く看護師は触診で脈を確かめながら
血圧計をのぞき込む。
血圧計のセンサーが認識できないのを
ヒトは認識するのだ。

便利さを追求するあまりの落とし穴はあるのだ。

さきほど「気が利く看護師」と書いたが
この血圧が生死を分けたとしたら
気が利く看護師と気が利かない看護師の采配次第では困る。

話はここまでではない。
期外収縮を自覚してから30分くらいしてどんどん苦しくなってくる。
期外収縮の胸の苦しさとは違うような気もしていた。
3回4回の加圧での血圧計測では血圧が下がり傾向にはあったものの
それほどではなかった。

しかしあまりに苦しいので
血中酸素濃度を計ってほしいとお願いをした。
が、99%というから問題はなかった。
なぜこんなに苦しいのか

これまで10年の『充電』で3,4回
急激な血圧降下で意識が一時無くなるショック状態は経験ある。
しかし、だいたいがだんだん意識が薄れていくという進行であるが
今回のように苦しいのは初めてのような気がする。

10年前透析導入のまえにぎりぎりまでエスケープして
肺にいっぱい水が溜まって呼吸ができなく
病院まで救急車で運ばれる間の12分が
命の分かれ目だったときと同じくらいの苦しさだった。

ベッドの上で体の向きを変えようが
脚を上げようが(血圧降下時の対処のひとつ)
どうにもできないとき
血圧を計ってもらうために押したナースコールできてくれたのが技師Y。

やはり3回4回と血圧計は加圧するが今回はそれでも計れない。
もともと自動血圧計は不整脈の時
正しい数値を示さないというのは経験済みなので
「もういいよ」といったら
「触診で計らせてください」と腕の脈を探す。

すでに血圧は80だった。

もともと平静の血圧が160〜170なので
半分である。
しかもその7〜8分前に再々加圧での計測が143だった。
この数値がすでに怪しい。
いくらなんでも140から80までの急降下はあり得ないのだ。

そのまま今日は透析を中止し返血。
下がった血圧は終了過程の返血でだいたいが回復するので
気持ちではこうやって死ぬのかという思いだったので
ほんとうに「生き返った」ようだった。

技師Yの触診が機転なのか看護マニュアルなのかはわからないが
あのときYが触診をしてくれなかったら
ショック状態は必至だった。
不整脈がどう発展し血圧低下と重なり命を失うことだって無いとはいえない。
それを簡単な触診で見過ごすことなく
状況を把握してくれたのだ。
あの「おしゃべりな技師Y」が神々しくさえ見えたものだ。
感謝です。

それにしても
この自動血圧計の再々加圧に際しては
ましてやこちらは混乱しパニック状態なので
触診計測を臨機応変でお願いしたいとは思う。