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2010-03-15

「死ぬまで生きよう」という心のリハビリ




「血液状態が悪いということで
まだ手術はしていません。
胸に穴を開け
カテーテルで栄養剤を注入しています。
見ていると胸が苦しくなります。」

妹からのメールである。
母親が今月初め、トイレでバランスを崩して大腿骨骨折の重傷を負った。
一人暮らしの83歳の母親は昨年ころから「生きる」意欲を失って
全身むくんで腹水がたまって入院しました。
医師の診断は栄養失調。

栄養失調とむくみや腹水と無関係のように思われるが
血液の中の水分調節をしているのはタンパク質で
その調節がうまくいかなくなると血液から水分が外に出て
腹水となって貯まってしまうという。
母親は体中むくんで歩けないほどで入院した。
それは短期間の入院での栄養補給で解決したかのように見えた。

しかし、栄養摂取は退院後続かず
しかも短い期間の入院生活だったかもしれないけど
入院前に歩けないほどだったのがさらに歩くことができなくなり
部屋の中を這っていた。
なんとしても歩くことができるようにならないと
ベッドでの寝たきりになると思い、
歩行の補助具を探した。
そうこうしているうちに
無理をしてなのかトイレでバランスを崩して大腿骨骨折という大けがを引き起こしてしまった。

我が輩は東京在住、母親は名古屋。
栄養失調での入院後、
とにかく短い期間でも歩行の手助けができれば
歩くことのきっかけになれるかと
母親に東京で住むことを勧めたが
旅行すらまともにしたことのない80歳にはわかっていたものの無理な話。
それではと1ヶ月くらいの帰郷を考えて
我が輩の病院に相談した結果、
名古屋での『充電』の許可を得たばかりであった。

ナースに相談すると
老人の大腿骨骨折はよく起こることで
手術の2週間くらいの入院で退院される、
90歳でも元気に退院される人もいるとのこと。
しかし、母親の場合
きっかけがきっかけだけに大腿骨骨折手術の先には
身体的にと同様にこころのリハビリという難関が迫っていると思われる。

なによりも歩こうという意志はどうしたら生まれるのだろうか。
「もう、(死んでも)いい」
というあきらめから
「死ぬまで生きよう」というところに行ってもらうには?