きのうは前日の豪雨で朝まで雨が残ることを予想して
倶楽部山行が高川山から急遽高尾山の一丁平でのヤマザクラ花見に変更となった。
おまけに城山という高尾山よりやや高い城山を経由する予定だったのが
沢を渡って尾根に向かってとりつく道には
増水して渡れず
ほぼ林道を歩くことになった。
こうなると花見も
雨上がりのさわやかな風の中
のんびりとした酒宴となり
低山だという油断もあって
酒はドンドン消費される。
わが輩もいつもより手際よく恒例となった麻婆豆腐を作ると
あとはまったりと屋久島焼酎「三岳」を味わった。
で
皆酔っぱらってくると話が長くなる。
わが輩の「透析」もあえて公にしていなかったが
知らずうちに酒宴にのぼる話題となるようになってしまった。
健康な人にこの「透析」の理由を説明するのもなかなか難儀だ。
腎不全など誰もなるとは思ってもみない。
どうしてなるのか?
まるで腎不全について知らない。
わが輩が透析をはじめて10年だが
10年前の自分を考えれば当然といえば当然だ。
カリウム、リン、水分は話さざるを得ない。
カリウムは何に入ってるのか?
リンはなんなの?
水は飲む水だけ?
と初歩的なことから聞いてくる。
メンバーに腎臓を数年前に片方の
摘出したものがいる。
先月だかの血液検査でクレアチニンが2といわれたという。
ふつう1だということまではわかっていても
腎臓機能のなんたるかは知らない。
クレアチニン2は低くはないが
体調によっても変化するといわれたようだが
残った片方の腎臓に負担がかかっていないとはいえない。
すると
カリウムにもリンにも水分にも
強い関心を持って聞いてくる。
カリウムは高血圧の原因ともなるナトリウムを外に出す。
カリウムによって血液のバランスをとってるというわけだ。
だが細胞の中には血液中よりずっと濃いカリウムが含まれ
ふだんは閉じ込められてるけど
怪我などで漏れ出し体を巡ると
筋肉が動かなくなり
筋肉の塊である心臓が止まる。
リンはタンパク質が消化されて生成される。
リンが増えると
相対的にカルシウムが増え
過剰になったカルシウムが血管などの石灰化を招き
動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞の原因となる。
何を食べるのがいいのか?
どれも食べる方が良いのだけど どれも食べ過ぎが良くない。
などと知ったような顔して説明しなくてはならない。
どれも初耳のことばかりのようだ。
それはそうだろう。
わが輩も10年経ってやっとヒトにやや話ができるようになった。
クレアチニンが上昇しているかも知れないのには
それなりの食事の制御をすすめた。
山歩きによっておそらく血液の流れも増え
脚の筋肉が第2に心臓として
確固たる地位を占めてきていることを話すと
同感するところを感じるのか
みんなうなずいてくれるところが
この山歩きの倶楽部のメンバーであることを誇りに思う。
見識の豊かなメンバーが多くなかには
だれか専門家と手を結んで
透析と山歩きによって変わるカラダを
記録・研究するといいという
提案も出てくる。
リーダーにいわせると
今一番絶好調なのはわが輩だそうだ。
それはそうだ。
ハイキングすら知らなかったのが
1000m級の山に曲がりなりにも挑戦しているのは
そう見えるのだろう。
この倶楽部
酒量と口数は多いが見識も高い。
できることなら
いつまでもお世話になりたいと
つくづく思うのだった。
それにしても酒量とともに増えるのは
タンパク質とカリウム。
あしたの定期血液検査が思いやられる。