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2013-06-29

「飽食はいかなるものでも病気の原因となり、死期を早める」

一冊の本が目に止まった。

このところリン値、カリウム値が問われ続けている。
一方で食事量をもし減らすとどうなるのかということが頭にあり
一方では透析の食事制限の中で最大限摂取しなくてはというのが頭にある。

前者では禅の精進料理や貝原益軒のように
少食が長寿の元だというのはしばしば目にする。
しかし一方では、現代医学の中で身長から割り出した基本体重をもとめ
カロリー計算がされてたり
ビタミン何が不足するとどんな病気になるだとか
いわれてる。

病院ではとうぜん後者の考えが基本であるが
あえて少食にも注目してみようということなのだ。

文化も最盛期を迎えた16世紀ルネッサンスに生きた
ベネツィアの貴族の講話なのだが
30代の暴飲暴食の過食で成人病になり
40代には生死をさまようほどに。
そのとき
極少食に徹するしか助からないと医師からいわれた。

なかなか唯一の楽しみでもある食は
ひとりひとり聖域でもある。
それをいわれるのは案外反発心も生まれる。

そんなことを言ってられなく
食事の量を減らしたら
回復の兆しをみせたという。
それ以降
極少食を続け健康になり
80代ころからは講話などをして
注目された。

少食のすすめは世界的に数いとまないそうだが
あまり文章として残っていないという。
貴族で講話などをしてきたので
その記録が現代に残ったということらしい。

彼はその後は病気とは無縁のうちに
人生を謳歌し
80歳を超えても
乗馬や山登りをし
また論文を書いたり知的活動にも
精力的だったようだ。

当時のミケランジェロやダ・ヴィンチが貴族の使用人だったのに比べ
彼は貴族だったこともあり
それよりも有名だったようだ。
最晩年まで目も歯も耳も完全で
足腰も若いときと変わらず
102歳まで生き
死に方も昼寝のような自然死だったようだ。


まだ読み始めなのだが

彼の節食は
パンと卵の黄身、少しの肉、それとスープ
これを1日総量で350グラム(12オンス)
だった。
これにワイン400ml。



一概に重量で食事量をはかるのも
疑問は残るがいったい350グラムがどれほどのものか
われわれの食事と比較してみようとやってみた。
食事内容は省略する。

6月27日の食事重量
朝食=195g
昼食=187g
夕食=568g

合計=950g
これにビール350ml、焼酎200ml。

だいたいこんなものだろう。
かのヴェネツァ貴族が生きた頃と
もちろんその社会環境は異なるが
彼は

「飽食はいかなるものでも病気の原因となり、死期を早める」
「健康は、食欲を抑えることから」


といっている。

1日350gで生命がどう維持できるのか
ちょっと興味が出てきたので
最後まで読もうと思ってはいる。
できれば禅料理や貝原益軒についても
改めて調べながら
そして
実際には少しずつ食事総量を減らしてみようと
考えている。

現代医学でも食べればそれだけ
活性酸素を産出し
それだけ組織や遺伝子を傷つけることはいわれてる。
また、体内の酵素も食事が少なければ
その消費も少なくなるという。
最近では腸内細菌の重要さをいうこともある。
少食はこの腸内細菌の働きを
自然な形にするともいう。

切実な話しではリン値、カリウム値が下がるというのも目に見えているので
そのためにも試してみることはいいのではないかと。

ただ一時、体重は落ちるので
痩せることは肥ることよりも悪くはないが
基礎体重の変化には気をつける必要はあるかも。



おいしいものをいっぱい食べて短命でも良いというのは論外だろうな〜
いざ死を迎えるときはそうは思わないのだ。





写真=1日の食材ごとの計量。